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会長挨拶

Spinal Surgery as a Science 科学としての脊髄外科

小柳 泉

第34回日本脊髄外科学会
会長 小柳 泉
(医療法人社団研仁会 北海道脳神経外科記念病院 院長)

第34回日本脊髄外科学会を2019年6月20-21日に札幌で開催いたします。本学会は、1986年7月に第1回日本脊髄外科研究会として東京で開催(会長:矢田賢三先生)されたのが最初です。1998年の第13回から日本脊髄外科学会に改称されました。札幌での開催は4回目となります。札幌は、北大脳神経外科の初代教授、都留美都雄先生が、1957年に米国の神経外科専門医を取得して帰国し、脊椎脊髄手術を開始された地です。都留先生の教えを受けた人間の一人として、この地で日本脊髄外科学会を主催できることを光栄に思います。

さて、今回の学会テーマは「Spinal Surgery as a Scienceー科学としての脊髄外科ー」としました。科学とは自然界の仕組みを明らかにする学問です。脊髄外科における科学の役割は何かを考えてみたくなりました。医学は、人間を不自由なく長生きさせることを目的とする科学といえます。科学は論理的思考に基づく仮説と検証の繰り返し(trial and error)が基本的な方法論です。しかし、臨床医学はerrorを最小限にしなければならず、経験の積み重ねが重要な部分を占めます。特に外科は手術によってその目的を達成することを使命としており、経験と技術の継承が必要です。近年、脊髄外科の分野には、診断、治療、手術に関する多くの技術が導入されてきました。しかし、新しい技術には新たな不利益も伴います。新たな治療手段が有効であるかどうかを確かめるための臨床試験は、ランダム化比較対照試験(RCT)が最も高いエビデンスを有するということになっていますが、果たしてそれは本当でしょうか?どの症例にどのような手術治療を行うべきか、その手術が有効なのかを確かめる方法としてRCTが現実的とは思えません。これまで多くの手術が考案されてきましたが、改良されながら続けられている手術もあれば、行われなくなった手術もあります。おそらく適切な外科治療の確立には、正しい情報の共有と継承が必要でしょう。日本脊髄外科学会は科学の場です。多くの先生が研究と経験を発表して自由に討論を行い、検証を重ねることが適切な治療につながります。さらに、科学としての脊髄外科の発展が患者さんの幸せにつながると考えます。

本会では、脊髄損傷、脊髄空洞症、頚椎変性疾患、腰椎変性疾患の外科治療に関してシンポジウムを計画します。脊髄損傷の治療は世界中で多くの臨床試験が行われていますが、脊髄外科の永遠の課題です。脊髄空洞症は古くから知られている病態ですが、発症機序を含めて何もわかっていません。社会の高齢化に伴い、頚椎・腰椎の変性疾患の治療の必要性は明らかに増加しています。最近の脊椎手術は、instrumentationによる脊柱の固定と配列矯正が目立ちますが、実際には顕微鏡手術を含めた多くの技術が存在し、外科治療のオプションは拡大しています。シンポジウムでは、現時点での到達点と今後の方向性を明らかにしていきたいと考えます。

学会翌日の6月22日には日本脊髄外科学会教育セミナーを同じ会場で開催します。脊髄・脊椎・末梢神経疾患手術に関する基本と最新の知識を、経験豊かな講師の先生が講演します。別の事前登録が必要ですが、これから専門医を目指す先生から指導医の先生まで対象とした実践的なセミナーです。

6月の札幌は季節も最高です。皆様のご参加を心からお待ちしております。

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