第72回日本東洋医学会学術総会

会頭のご挨拶

会頭:八重樫 稔

第72回日本東洋医学会学術総会
会頭 八重樫 稔
札幌マタニティ・ウイメンズ南1条クリニック 院長

この度、第72回日本東洋医学会学術総会を、2022年(令和4年)5月27日(金)~29日(日)までの3日間、札幌コンベンションセンターにて開催させていただく運びとなりました。2011年の第63回札幌総会以来、11年振りの開催となりますが、東洋医学を究めるための充実した3日間となるよう、様々なプログラムを企画しております。

開催形式についてですが、現時点でのCOVID-19の蔓延と、政府の収束宣言を出せる状況にはまだ程遠いであろうことを踏まえ、今札幌総会もWEBによる開催とせざるを得ないという結論になりました。一時は現地参集にての開催を考え、その方向で準備を進めて参りましたが、準備委員会としましては苦渋の選択であり、会員の先生方に深くお詫びを申し上げます。事情をご賢察の上、ご理解を賜りたいと思います。

総会テーマは、「漢方医学の本質に迫る」、サブテーマは「気血水理論を深める」と致しました。我々が日常診療で漢方薬を中心とした東洋医学を実践する際の根本的な考え方は、気血水理論と方証相対だと思いますが、実際には、気血水に対する考え方には各人各様に少々認識のズレがあるのではないか、と思います。特に「気」については、物質ではなく単なる概念であるという認識を再考し、「気血水理論」を整理したい、と考えています。全体を俯瞰し、ある意味高尚さを持った従来の総会テーマとは、少々趣を異にするものとなり、何を今さら、というご意見もあるかもしれませんが、一度は取り上げておくべきテーマであると考えております。

会期中には、講演のテーマとしまして、気の現代科学的研究の到達点、大宇宙と小宇宙たる人体の関係、中医学も大きく関心を持たれてきておりますので、日本における漢方医学と中医学の関係をどう考えるか、方証相対、気血水理論発祥の歴史、を始めとして、山本巌医学の解説、サイエンス漢方研究会の紹介、気血水に関するシンポジウムなどの他、鍼灸の実技並びに病鍼連携に関するシンポジウム、学生を対象としたセッション、さらには、COVID-19感染症に関する漢方医学の取り組みなど、多数のプログラムを企画しております。

札幌でお会いできないのは本当に残念なことですが、現地参集開催に遜色のない学会内容にしたいと考えております。是非とも多数の皆様のご参加をお待ちしております。

ページトップ